60年に1度の壬辰、辰年を記念して造られた万年筆を昨年限定発売致しました。 天に勢い良く昇ってゆく様を艶やかな漆黒で力強く描き出しました。 今年は虎をモチーフにした万年筆を世界限定300本で発売致します。
中心に書かれた虎と竹は、伝統工芸の中でも緻密で手の込んだ炭粉上げの技法で、幾重にも塗り重ね、立体感を出し、消墨の厳かな下地絵として、描き込んでいます。 さらに虎は、艶やかな黒蝋色漆で目や口、縞模様を描く事でその黒のコントラストを高め、鮮やかに迫力のある絵柄として描き出しました。
図柄は、竹林を自由に堂々と一歩一歩しっかりと歩く虎を描いています。 今回の図の意味合いは、竹を人とし、竹林を世界と考え、その中を自由自在に縛られる事なく堂々と生きていく、そんな様を想像し、製作しています。
虎は縞模様が縦縞で、竹林や密林では判別されにくいので、そこに潜んで獲物を狙うのだと言われています。 また、虎は一夜にして千里を駆けるというその速さ、食物連鎖の頂点に位置する事から野獣の王といわれ、その力は、悪霊をも追い払うと言われております。 竹も同じく火にくべれば、大きな音がしてはじけるところから、悪霊を払うとされてきました。 また、竹は、幹が空洞であり、葉も常に常緑で、堅くしっかり根をはることから、隠し事がなく、自制心があり、慎み深いことをあらわし、透明、純朴、素朴、永久、慈悲の象徴です。 竹の節は人の人生をあらわし、物事を一つ乗り越え、突き破っても、上に上がり、精進せよという教えもあります。 この闇鋭竹虎王図に込められた図柄の強力なメッセージをお客様に届けるべく、1本1本丹精込めて作り込みました。 使われる方の心に寄り添い、末永くご愛顧いただければ幸いです。
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